腎臓扁桃腺

腎臓と扁桃腺について

扁桃は、のどの奥の口蓋垂の左右両側に位置しています。扁桃は、体内に侵入しようとするウイルスや細菌などの病原体から防御する役割を持っています。ただし、扁桃が病原体防御に役立つのはせいぜい幼児ぐらいまでで、リンパ腺を主とする体全体の免疫システムができあがった大人になると、扁桃腺は不要な部位となってしまいます。

風邪や過労、ストレス等で体が弱っている状態のときに、扁桃腺に細菌やウイルスが侵入すると炎症が生じることがあります。これが扁桃腺炎です。この扁桃腺炎自体は、抗生物質の投与などの治療によって比較的早期に治ります。しかし、これが何度も繰り返し続くと、腎臓へ影響を及ぼすおそれがあることが知られています。

なぜ扁桃から離れた腎臓なのかというと、腎臓は、血液中の老廃物等を濾過する機能があり、扁桃腺炎によって生じた異常物質がたまり続けるからです。これにより、腎臓の濾過機能が衰えて、最終的には腎炎を発症するおそれがあります。

腎臓病IgA腎症の治療に扁桃腺摘出について

最も多い腎臓病のIgA腎症の治療に、近年扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法が行われ、寛解率が大幅に上昇しました。 完全寛解した割合を扁桃摘出群と非摘出群で比べると、45%VS25%で、扁桃摘出群のほうが良い成績でした。 しかし、扁桃腺炎を繰り返している患者だけでなく、扁桃腺炎を起こしたことのない患者まで摘出術を行うのは、過剰治療ではないか、といった議論にもなっています。実際、扁桃腺炎を起こしたことのない人での比較データーはまだ出ていないようです。 さらに、この治療法は日本でしか行っておらず、世界的にはまだ認められていません。

また、扁桃摘出ステロイドパルス療法でIgA腎症の8割が完治するというデーターも出ていますが、詳しく発表内容を検討すると、尿蛋白が1日0.5g未満の患者が半数以上を占めていました。 日本腎臓学会の共通の認識では、1日の尿たんぱく質量が1.0g未満なら、透析に進行することはまずない、と言われています。 尿蛋白が1日0.5g未満では98%以上進行しないと言われています。 セカンドオピニオンを求めることは今や医療界の常識です。手術を勧められて迷う時はセカンドオピニオンを取るのが賢明です。

腎臓の病気を治すために扁桃腺を摘出することも

腎臓と扁桃腺とは、存在する部位も遠く離れていますし、その機能も全く異なる器官ですが、実は関係の深い器官です。何故ならば、扁桃腺に炎症が起こると、その炎症の原因菌を攻撃するために、IgAと言う物質が扁桃腺で作り出されるのですが、このIgAと言う物質は、作り出される量が多いと、喉の周辺だけではなくて、体全体に広がっていきます。そして、腎臓に集積してきて、腎臓までも攻撃してしまいます。そのことが原因で腎機能が低下して、最終的には腎不全と言う病気にまでなってしまうのです。そうなると、命にも関わってくることになります。そのため、扁桃腺が度々炎症を起こす人や、慢性の炎症になっている人は、お医者さんの診断により、摘出手術を行うことがあります。扁桃腺と言う器官は、外部からの異物の侵入に対して免疫機能を持っている器官ではありますが、1歳以上になると、その機能は、全身の免疫機能により代替されるために、摘出しても特に体に問題はないのです。

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